そもそも国際人とはどんな人なのでしょうか?
英語を話すことができれば国際人なのでしょうか?
国際人とは
国際人の意味
「国際人」とひと言でいってもそもそも一般的に使われている「国際人」とはどんな人なのでしょうか?辞書で調べてみました。
国際的に活躍している人。世界的に有名な人。また、世界に通用する人。
国際的に有名な人。広く世界に通用する人。
たとえば世界の誰もが知る政治家やセレブなどは当然、いわゆる「国際人」ですが、もっと広い意味での国際人はまさに「世界に通用する人」です。
私がこのブログで書いている「国際人」も「世界に通用する人」の意味で書いています。
一般的に言われる国際人とは「世界の人々の文化や習慣に対するリスペクトを持ち、世界の人々と対等にコミュニケーションを取る人」ではないでしょうか?
それでは、果たして「英語を流暢に話す人=国際人」なのでしょうか?
英語は単なるコミュニケーションの手段
ご存知のとおり英語は世界の共通言語です。
世界の中でバックグラウンドがまったく異なる人々がコミュニケーションをとる時には通常は英語でやりとりしますよね。
しかし、英語はコミュニケーションをする際の単なる手段、もしくは道具でしかありません。
英語ネイティブの英語圏の人=国際人なのか?
それでは世界の共通言語の英語を母国語として話す「英語圏の人々」はみんな国際人なのでしょうか?
まったくそんなことはないんですよね。
海外に住む前、私は英語圏の人々は国際的で世界のことをよく知っているとばかり思っていました。なぜなら英語圏の人々は、世界共通語の英語で世界の情報をリアルタイムで知ることができるからです。
しかし、全くそんなことはありませんでした。世界共通語は英語なので、英語圏の人々は他の言語や文化をわざわざ学ぶ必要がほとんどありません。
そして、必要性もないからなのか英語圏の文化以外に特に関心がない人も多く、海外のことをあまり知らない人もけっこう多いのです。
もちろん英語圏の人々の中にも文化的な好奇心が旺盛な人はいます。たとえばアジアの文化やラテン語圏の文化に関心をもってその地域の言語を一生懸命学ぶ人もいます。日本語がペラペラな英語圏出身の人はまさにそのような人ですね。
ただ一般的に割合としてはそれほど多くはないようです。
そういう意味でも、英語が堪能=国際人である、ということはないんですよね。
国際人になるために必要なこととは?
日本人はなかなか国際人になれないと言われる理由
日本人はなかなか国際人になれないと言われます。なぜでしょうか?
日本人の特有の特徴
- 自分の意見を持たない、言わないことに慣れている。
- 周りの意見に合わせる。
- 集団行動をとる(周りのみんなと一緒が良い)。
- 周囲の目が気になる。
- 自分と異なる意見に対して不快になりがち。または自分が否定されていると感じやすい。
日本で暮らしている分には問題にならないような日本人特有な特徴は、国際人になるためにはマイナスな要素になってしまいます。
国際人として必要な要素
それでは国際人になるために必要なこととは何でしょう?
自分の意見を持っている
日本では学校教育で「自分の意見を言う」ことを練習する機会がほとんどありません。自分の意見を言い、その理由を説明する訓練を特に欧米の学校教育では幼稚園の頃から受けています。
英語圏では幼稚園の頃から “Show and Tell” (ショーアンドテル)といって「クラスメートの前で自分の好きなもの、または楽しかった出来事や興味のあるものについて発表し、好きである理由を述べたり、クラスメートからの質問に答える」ことを行っています。自分の感情や考えの言語化やコミュニケーション能力の発達の向上にとても効果的です。
異なる文化圏の人々とコミュニケーションをする上では、自分の意見をしっかり持ち、その意見の根拠を説明して相手を納得させる能力が必要です。
人とちがう意見をもつことを恐れない
日本人は周りの人とちがう意見をもつことに恐れを感じる人が多いです。「和を重んじる」という国民性が人と同調することを無意識に選ぶのでしょう。
しかし、国際人であるからには自分のアイデンティティをはっきりさせて自分のオリジナルな意見を言うことはとても大切です。
自分の意見と異なる意見に対して感情的にならない
日本人は自分の意見と異なる意見を相手に言われるとまるで自分の人格が否定されたように不快に感じる人も多いようです。
人の意見はそれぞれちがって当然です。自分の意見と異なる意見を言われても「この人はそう思っているんだ」と俯瞰的に考え、感情的にならないことは自分自身のメンタルの健康にとっても良いことです。
海外の討論番組などでは討論している間は非常に険悪なムードなのに、討論が終わった瞬間にお互いに笑顔で握手、まるで別人のように談笑しているシーンをよく見かけます。 討論の場でも反対意見を個人的(パーソナル)に受け取らずに、あくまでも意見のみにフォーカスしています。そんなふうにディベートとは、まさに意見交換のゲームのように捉えて楽しんでいる面もあります。
異文化に対して敬意をもつ(リスペクトする)
これは基本中の基本といって良いと思います。
食文化や生活習慣など、お互いの文化をリスペクトすることや、ちがいについて差別的な感覚を持たないことは大切です。
私自身もたまたま日本で日本人の両親から生まれたので日本人だと思っています。どこか他の国の両親のもとでまったく異なる文化圏で生まれ育っていたのかもしれません。
自国の文化に親しんでいる
国際人であればこそ、自国の文化について知っていることが大切なんですよね。
逆に、日本の中で日本人とだけ接して生活していれば何か日本の文化や歴史について人に説明するような機会はほとんどないわけです。
しかし、たとえばいろいろな国籍の人々の中で自分ひとりが日本人という場では、自分は日本の代表者のように見られます。
そのような時には必ずといって良いほど他国の人に日本の文化や歴史について質問されます。
国際人であるならば、日本の文化や歴史について興味をもち、学ぶことも大切だと思います。
特に海外の人々は、日常生活に密接な「日本の食文化」については大きな関心があります。
伝統的な日本食からB級グルメまで、食文化についての話題はとても楽しく会話がつづきます。
おわりに
「国際人=英語が堪能な人」というわけではありません。
英語を使ったコミュニケーションで何を伝えることができるのか?
自分の意見をもち、海外の文化や習慣にリスペクトを持ち、対等にコミュニケーションをする人、それが国際人です。
それでは「子どもを国際人に育てる」には生活環境をどのようにすれば良いのでしょうか?
次回は「子どもを国際人に育てる生活環境」について書いていこうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます♪