高校留学にニュージーランドをオススメする理由について娘の経験をふまえてお伝えしたいと思います。
高校入学と娘の決意
娘は高校に入学した頃から「高校在学中に長期留学する!」とひとりで決意していたようです。
当時は長男が理系私大に通っていたこともあり、親としては留学費用が比較的リーズナブルな短期留学を考えていました。
しかし、娘の熱意に負けて・・(笑)長期留学をさせることになりました。
今になると娘の場合は長期留学が大正解だったと思っています。なぜ長期留学で良かったのか?その理由については次の記事に書こうと思います。
高校留学にニュージーランドを選んだ理由
私が高校生だった1980年代前半(40年以上も昔!?)にも高校在学中に海外留学をしている友人がチラホラいました。
当時、人気のある留学先はアメリカやイギリスだったと思います。今、人気の留学先のカナダ、オーストラリアやニュージーランドはほとんど留学先候補に挙がらなかったと思います(私の周辺の話ですが・・)。
さて、私の実家の話ですが、私を含めた3きょうだいは(それぞれ別の時期ですが)20代の頃に全員イギリスに住んでいました。そしてその後、私はイギリスの元植民地に十数年住んでいたこともあり、イギリスは身近に感じていました。
本来ならばイギリスに留学させたかったところですがいかんせん費用がとても高いです。
そこでイギリス英語やイギリスの制度を取り入れているコモンウェルス(イギリス連邦)の国々が留学先候補にあがりました。
その中でもニュージーランドは複数の理由で特に好感度の高い国でした。
治安の良さ
高校留学は本人にとっても親にとっても何より安全面が一番重要ですよね。
ニュージーランドは他の英語圏の国々と比べるとかなり治安の良い国だと思います。
2023年度の世界各国の治安・安全性ランキングでは世界4位を獲得しています。(※ちなみに日本は世界第9位)
わが家の娘の経験
娘はNZの南島に滞在していましたが、危険な目に遭ったことは一度もなかったようです。
友だちとバスに乗って街に出かけたりと日本と変わらない生活をしていました。
ただ、念のため夜遅く出歩くことはしませんでした。現地の友だちの家に遊びに行った際には、お母さんが毎回、車でステイ先まで送ってくれていました。
娘の友人たちも危険な目に遭ったことはなかったとのことです。
しかし、過去には夜遅くひと気のない道を歩いていた留学生が殴られたケースもあったようなので、夜遅くは出かけない、もしくは信頼できる人に車で送ってもらう等したほうが良いでしょう。
留学費用が他国に比べてリーズナブル
費用も親にとってはとても重要な項目ですね。
以下はおおよその留学費用ですが、2024年の現在は歴史的な円安になっております!(留学を考える家庭にとっては逆風が吹いていますね・・!)
しかし今でもニュージーランドは他国に比べて留学費用がリーズナブルな国です。
公立高校もしくは私立高校、交換留学か否か、奨学金の有無などによって費用は以下のように大きく異なります。
2024年度の国別おおよその留学費用
国名 | 留学費用(3ヶ月) | 留学費用(6ヶ月) | 留学費用(1年間) |
ニュージーランド | 70~100万円 | 120~200万円 | 200~500万円 |
イギリス | 150~200万円 | 200~400万円 | 300~600万円 |
アメリカ | 100~250万円 | 150~300万円 | 200~650万円 |
カナダ | 70~120万円 | 120~200万円 | 250~520万円 |
オーストラリア | 80~120万円 | 90~120万円 | 350~600万円 |
※航空券、食費などの滞在費を含む留学費用です。2024年のデータですが、最近は為替の変動が激しいため随時レートをチェックしてくださいね。
人種差別が少ない
ニュージーランドは多民族国家です。そして一般的にはかなり人種差別の少ない国です。どの国にも外国人に親切な人や差別主義者などいろいろな人がいますが(日本人も同じですよね)、ニュージーランドで日本人留学生がひどい差別を受けたという話は今のところ聞いたことがありません。
学校以外でもお店や公共交通機関などでもニュージーランドには海外から、特にアジア圏からの留学生が多いので珍しがられることもなく地域に馴染みやすいと思います。
わが家の娘の経験
ニュージーランド留学で娘や他の留学生の友人達もあからさまな人種差別に遭ったことはないようです。
学校では現地の生徒はフレンドリー、もしくは単に無関心だったようです。現地の学生といろいろなアクティビティに参加した際にも現地の生徒と留学生が混ざり活動を楽しんだようです。
学校以外でもお店や交通機関で接するニュージーランド人は一般的に親切だったようです。
ただ、日本も同じですが、どの社会にもいろいろな人がいます。娘の場合はたまたま良い環境にいたのかもしれないので思い込みや先入観は持たないほうが良いと思います。
過ごしやすい気候
ニュージーランドは年間を通じて過ごしやすいです。特に北島は夏の最高気温が30℃程度、冬の最低気温が5℃前後と日本(本州)よりも暑くならず、寒くならないです。冬は湿度が高いですが夏はカラっとしています。暑すぎるのも寒すぎるのも苦手という人にとても向いていると思います。
一方で南島は冬は冷たい風が強く吹くために体感温度は実際の気温よりも低く感じますが、それでも最低気温は3~4℃、最高気温は10℃前後と東京よりも平均気温は高いです。そして夏は蒸し暑くなるようなこともなく20℃程度です。夏の暑さが苦手な人には向いていると思います。
わが家の娘の経験
娘は南島に滞在していました。
寒さが苦手な娘は冬は風が強いので寒く感じたようです。しかし、カナダに留学した娘の友人は零下20℃の中で通学していたというのでニュージーランド南島の寒さは東京の冬を過ごせる人ならば大丈夫なようです。
一方で、夏は乾燥して涼しく(肌寒いくらい)、東京の夏と比較して過ごしやすかったようです。暑さが苦手な人には向いていると思います。
国や学校の留学生へのサポートが厚い
実はニュージーランドの海外からの留学生を受け入れることは国を挙げての一大産業とも言えます。それほど留学産業は経済効果も大きいようです。
特にニュージーランドは他の英語圏の国々と比較しても治安が良く、気候も温暖なため留学生を呼び込むには適した国です。国の経済政策でもあるため、海外から訪れる留学生のためのサポート体制は法律をはじめきちんと環境が整っていると感じます。
わが家の娘の経験
娘が通う高校には留学生担当の先生が留学生の様々な問題に臨機応変に対応してくれていました。
授業についてやホストファミリーとの問題などにしっかり対応してくれた上に、日本の保護者に定期的に近況報告メール(英語)を送ってくれていました。
学校での様々なアクティビティについて画像付きで伝えてくれたのでとても安心できました。
大気汚染はほとんどなく空気がきれい
ニュージーランドはなんといっても空気がきれいです。日本の大都市から留学すると実感します。
国の位置的にも公害発生の地域から離れているので、PM2.5などの大気汚染の心配がなく安心です。
豊かな大自然を楽しむことができる
「大気汚染がなく空気がきれい」の延長になりますが、ニュージーランドには手つかずの大自然があります。山と海、そして河川や森林、満天の星空もとても美しく、日本から訪れる留学生にとっては感動的な経験になると思います。
わが家の娘の場合
ホストファミリーが湖の畔にキャンプに連れて行ったくれたり、学校のプログラムでクイーンズタウンにスキーに行ったりとニュージーランドの大自然を満喫していました。そのほかにもトレッキングなど様々なアクティビティに参加する機会があったようです。満天の星空は生活圏の中でも見ることができたようで、日本では都会に住む娘にとっては感動的だったようです。
ニュージーランドの短所
それではニュージーランド留学の短所と思われる点はどのようなものがあるでしょうか?
交通の便が良くない
ニュージーランドは基本的に車社会です。日本のように電車であちこちに行けるような環境ではありません。また、バスは走っていますが、定刻どおりに来ないことも多く、日本の便利な公共交通機関を使った生活に慣れ親しんだ学生にとっては不便に感じると思います。
ただ、よほど都会に住まない限りはオーストラリアやカナダなどの留学先も同様です。逆に、どの国でも学校もステイ先も都市部や街にとても近い場所にある場合には必ずしも不便だとは感じないかもしれません。
わが家の娘の場合
最初のホストファミリー宅から学校へは徒歩40分でした。2番目のホストファミリー宅からは徒歩20分、最後のホストファミリー宅からはほんの10分程度だったので、最初のホストファミリーを除くと通学は便利と言えました。
週末に街に出かける際にはバスを使っていました。定刻どおりに来ないこともありましたが、ステイ先から街までは遠くなかったので週末は気軽に遊びに行けたようです。
ただ、夜の外出は日本とちがって大人のサポートが必要でした。上に書いたように現地のクラスメートが主催するパーティーに呼ばれた際には帰りが遅くなるので、クラスメートのお母さんが車で娘のステイ先まで送ってくれました。
紫外線が強い
ニュージーランドは夏だけでなく年間をつうじて紫外線は強いです。その強さは日本の7倍と言われています。
特に夏の太陽光線が強い時期の外出時には必ず日焼け止めを塗り、サングラスをしたほうが良いです。
わが家の娘の場合
やはり晴れた日には日本とはレベルのちがう紫外線の強さを実感したようです。外出時や戸外でのアクティビティ時は必ず日焼け止めを塗っていたそうです。 しかし、実際のところ日本人の肌は白色人種に比べると紫外線に強いので、一緒にいた現地のニュージーランド人(白色人種)の顔が真っ赤になっても娘は大して赤くならないということもあります。かといって油断大敵、紫外線は目にも影響があるのでサングラスも常備でしっかり紫外線対策しましょう。
英語に訛り(アクセント)がある
日本人留学生がニュージーランドのアクセントに影響を受けることはあまりないようなので、これは短所というほどでもないかもしれませんが、ニュージーランドには独特な英語のアクセントがあります。
アクセントの一例は、以下のようにたとえば、Pen(ペン)のことを Pin(ピン)と発音します。
- pen(/pen/)→(/pɪn/)
- yes(/jes/)→(/jɪs/)
- red(/red/)→(/rɪd/)
- seven(/ˈsevən/)→(/ˈsɪvən/)
- ten(/ten/)→(/tɪn/)
- bed(/bed/)→(/bɪd/)
引用元:Weblioスピーキングテスト(https://uwl.weblio.jp/speaking-test/column/reference/ausie-english)
どの国や地方のアクセントもそうですが、最初は聞き取るのがむずかしいですがそのうちに慣れていきます。
そして、ニュージーランド人のアクセントを高校留学の年齢の日本人がそっくりそのまま影響を受けることはほぼなく(幼児は耳コピの天才ですが!)、ほぼ全員が日本語のアクセントのある英語を話すので気にしなくて良いでしょう。
また、ニュージーランド人はものすごく早口な人が多いので最初のうちは聞き取るのが大変だと思います。しかし、リスニングも慣れてきて早口のニュージーランド英語が聞き取れるようになったらしめたものです!リスニングが上達した証明です!
まとめ
高校留学の渡航先としてのニュージーランドについて書いてみましたがいかがでしょうか?
日本とニュージーランドは同じ島国でありながらも様々な面でまったく異なる国だと思います。
ニュージーランドは日本と比べると人口が少なく国民性が異なるためか、社会全体がゆったりしているようです。一方で、コロナのパンデミックの時には国をあげて驚くほどかなり厳しい対策に取り組んでいたようです。
ニュージーランドに留学した娘はもちろんのこと、娘の友人も全員、ニュージーランド留学はとても有意義な経験だった、とても楽しかったと口を揃えて言っているようです。
高校留学を検討中の方には、ぜひ滞在先にニュージーランドを選択してはいかがでしょうか?