【体験談】高校留学後にIELTS7.5を取得するまでのわが家の娘の「おうち英語」

おうち英語

公立育ちで高校留学中にIELTS7.0、高校卒業後にIELTS7.5を取得した娘の幼少期からの「おうち英語の環境づくり」についてお話します。

もくじ

子どもが生まれる前のわが家の英語環境

わが家の場合は海外に住んでいたこともあり、子どもが生まれる前からすでに日常的に英語環境がつくられていました。

仕事やプライベート(友人関係)では英語を日常的に使っていたので、生活環境の中で自然に英語が存在していたという感じです。

まだネットが暮らしの中に登場する前の1990年代半ばのメディアは新聞や雑誌、TVでしたが、それぞれのメディアで日本語と英語の2言語にふれている生活でした。

息子が生まれた90年代後半はようやくパソコンで仕事やプライベートでメールを使い始めた時代だったので、当時のおうち英語はネットが登場する前のアナログ時代とほとんど変わらなかったです。

子どもが日本語(母国語)を習得するということ

ちょっと話がそれますが「日本に住んでいる=日本語(母国語)を習得できる環境にいる」ということは言語習得の点から考えるととても有利なことです。

海外で育つ日本人の子どもが現地校やインターナショナルスクールに通う場合は、読み書きレベルの日本語を習得するために大変な努力をしています。

わが家の場合も、先輩ママから「アルファベットを最初に覚えちゃうと日本語(特に漢字)はむずかし過ぎて学ばなくなるわよ!アルファベットの前に日本語を学び始めないとダメよ!」と厳しく言われました。

たしかにアルファベットと比べると日本語のひらがな・カタカナ、そして膨大な量の漢字・・日本語は言語習得となるとはるかに大変です。

実際に海外で日本語と英語の両言語共に母国語レベルに至らないという子どもも見てきたので、現地のブリティッシュスクールに入る前に公文でひらがな・カタカナを学び始めました。

わが家はその後、帰国したので子ども達はバイリンガルになりましたが、あのまま海外にいたらおそらく日本語習得はあきらめていたのではと思います。

海外の友人たち(日本人)の子ども達と同じように、今ごろは親とは日本語で会話するけれど、子ども達きょうだい同士では英語で会話していたことでしょう。

海外育ちで現地校やインターナショナルスクールに通う子どもが日本語を習得するというのはそれほどむずかしいんことなんですよね。

その点、日本に住む日本人の子どもは日本語(母国語)の習得という点ではあたりまえですが圧倒的に有利です!日本語を自然に習得できる環境にいるので、外国語を遊びながら無理なく学ぶことができます。そして、日本で幼児期から英語を学ぶ場合には、いわゆるダブル・リミテッド(どちらの言語も完璧でない状態)になる可能性は例外をのぞいてまずありません。※例外とは、たとえばいつも世話をしている保護者が1日じゅう英語で話しかけている等・・といった場合ですね。

わが家の子ども達と日本語

わが家は親2人が日本人ということもあり、海外に住んでいる時から子ども達には母国語である日本語を習得してほしいと思っていました。言語の優先順位的は、日本語>英語です。ちょうど良いタイミングで帰国したので、そのまま日本語の環境の中でバイリンガル教育を目指すことにしました。

帰国した当時、親である私たちは日本でも日英2カ国語の生活環境を望んでいたこともあり、ケーブルテレビに加入しました。当時はまで今のようにネットのストリーミングサービスも始まっていなかったので、海外のニュースやドラマはもっぱらケーブルテレビ一択だった時代です。

家の中ではBBCやABCニュースなど、また、海外ドラマや映画は頻繁に観ていたので、子ども達の耳には自然に英語が入ってくる環境ではありました。

しかし、そういった自然な「英語のかけ流し」的な環境ではあったものの、やはりその程度ではいくら言語習得が得意な子どもといっても使える言語としての英語力は身につかないんですよね。

結局のところ、自然な形で幼児が英語を習得するためには、継続した環境づくりが必要になります。何よりもこの継続というのが重要です!しかし、この継続というのが親にとっては一番むずかしいところですけれどね・・!

幼児の「おうち英語」の環境づくり

帰国した時、長男は小学校低学年でした。英語力はネイティブとまでは行かずとも、ふつうに授業を受けて英語で意思疎通ができるレベルでした。

一方、娘は日本語はある程度話すことができましたが、英語は簡単な文章を理解して片言話せる程度でした。

幼児の英語習得に最も効果的な2つの習慣

わが家の子ども達いわく、以下の2つの習慣が小さい頃の英語習得にとても効果があったようです。

  • 英語の歌を繰り返して聞いて一緒に歌うこと
  • 英語の絵本を繰り返し読むこと(音読することも含む)

これは帰国後、日常的に毎日のようにやっていたことです。

子どもが興味のある絵本であれば、最初は親がつきっきりで一緒に歌ったり読んだりする必要があっても次第に自発的に楽しむようになります。

上記のように、幼児期の英語習得についてはとにかく「繰り返し(反復練習)」が重要なカギになります!

英語の歌を歌うことについて

わが家の子ども達いわく、歌は音と歌詞が同時に頭に入ってくるので覚えやすく、何回も聞いて一緒に歌っているうちに自然に歌詞(文章)を暗記していると。すなわち、正確な英文法を使った英語の文章を無理なく自然な形で暗記していることになります。

英語の絵本を音読することについて

同じ絵本を繰り返し音読することによって歌と同様に自然な形で英語の文章を暗記することになります。また、語彙を増やすのに最適な方法です。正しい文法を暗記しているので、後に英語の文法を体系的に学ぶ時にスムーズに習得することができます。

わが家の娘が「おうち英語」でやっていたこと

英語の動画を観る(1日30~45分)

当時、幼児向けのキッズ英語の動画はDVDもしくはビデオでした。

DVDやビデオは同じものを何回も観るので、そのうち子どもはセリフを覚えてしまいます。

要するに正しい文法と単語を使った文章をまるごと覚えるのでとても効果的です。

DVDやビデオのほかにはケーブルテレビのキッズチャンネルのお気に入りのアニメなども観ていました。

米国小児科学会やWHOが提案する2~5歳の幼児が動画を観る視聴時間は1時間以内とされています。動画を観る時間が長すぎると幼児の脳の発達に悪影響があるので、毎日観る時間はしっかり決めていました。

親子で英語教材のゲームをする(1日30分~1時間)

幼児期に親子で英語で遊んだりゲームをするのは良い方法だと思います。

基本的にバイリンガル教育は子どもに対して大人ひとりにつき1言語という考えが推奨されています。たとえば、国際結婚をしていて、お父さんが日本人でお母さんが英語圏出身の場合にはお父さんが日本語で子どもに話しかけ、お母さんは英語で子どもに話しかけるというやり方です。

しかし、普段は日本語を話していているお母さんが「英語で遊ぶ・ゲームをする時間だけは英語を使う」というのであれば子どもは混乱しないでしょう。

日常会話の中で、親が気まぐれに日本語を使ったり英語を使ったりとチャンポンで話すと子どもが混乱するので避けましょう。

絵本の読み聞かせ(1日1時間~)

娘は絵本が大好きで毎日毎日、日本語の絵本と同時に英語の絵本もよく読んでいました。

英語の絵本はオーディオ付きのものはオーディオのネイティブ英語を聞かせ、絵本にオーディオが付いていない場合は私が読み聞かせをしました。

英語を学ぶからには子どもには本物の英語を聞かせてあげたいと思い、オーディオが付いているものはネイティブの英語を聞かせるようにしていました。

かといって今の時代、昔とはちがい英語のアクセントについては世界的にあまり気にしない傾向があります。

最近の傾向はアクセントよりも話す内容が重要とみなされます。それは世界的にビジネスや観光において英語が共通言語となり、国を問わず英語を話す人が増えたことが大きな理由だと思います。

ネイティブの先生との英会話レッスン(週1回、1時間程度)

週1回、ネイティブスピーカーの先生に家まで来てもらい英会話のレッスンを受けていました。

帰国した当時はまだオンライン英会話レッスンというものは存在していなかったと思います(調べてみたらオンライン英会話は2000年代後半に登場したようですね!)。

たまたまリーズナブルなレッスン料、そしてなんといっても家まで来てもらえるのはありがたいのでレッスンを受けることにしました。

「おうち英語で学んだ英語を実際に使う」という点ではネイティブの先生と英会話のレッスンをしたことは価値があったと感じます。

幼稚園の年中からインターナショナルスクールの幼稚園へ

3歳の時に帰国した娘はおうち英語を実践しながら5歳になりました。

日々の習慣にしていたおうち英語で英語が身近なものになり、リスニングやリーディング、スピーキングももちろんネイティブレベルとはいかないですがかなり力がついてきました。

そして娘は日本の幼稚園に入園、年少クラスの1年間を過ごしました。

その後、日本の公立小学校に入学するまでの2年間はインターナショナルスクールの幼稚園に通いました。

インターナショナルスクール幼稚園に入ってすぐは大した変化はなかったものの、2ヶ月ぐらい経った頃に突然、流暢に英語を話すようになりました。

おそらく、それまでのおうち英語で蓄積されてきた英語力が、インターナショナルスクールの幼稚園の環境下で時間差で一気にアウトプットがしやすくなったようです。

幸運なことに、そのインターナショナルスクールは外国人の子どもも多く通っていたため、コミュニケーションの方法が英語のみという状況も多々あったことも理由だと思います。

「おもちゃを一緒に使おう」などのコミュニケーションは子どもにとっては一大事なので必死ですよね、笑。

やはり必要にかられると言語は上達すると実感しました。

公立小学校時代のおうち英語

しかし小学校に上がるとすっかり日本語だけの環境になり、英語から遠ざかっていきました。

日本の学齢期に入り、勉強も始まり英語のアウトプットの機会は圧倒的に少なくなりました。

しかし、様々な工夫をしながら、なんだかんだ細々とおうち英語はつづけていました。

家族で映画を観て内容について話す

小学生に入る年齢になると、内容によっては家族みんなで楽しめる洋画もあるので、週末などは家族全員で観ていました。

観たあとに家族の間でおやつを食べながら感想を話し合ったりしたものです。

映画を観てああだこうだと感想を語り合うのは英語の映画に限ったものではなく、日本のアニメを観た後でも同じです。

「観たり読んだりしたものについて考え、その感想を人に伝える」ということは子どもにとって絶対的に良い影響を及ぼすと思います。

  • (あることについて)自分の考えをもつこと
  • 自分の意見を人に伝えること
  • 人の考えに意見すること
  • 文化的、歴史的な知識がふえる

作品を観るだけでなく、作品に関する文化的、歴史的背景について子どもたちにサラリと教えていたことによって異文化や歴史への知識や関心が広がったことも良かったと思います。

オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)

イギリスのオックスフォード出版「オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)」を教材にして定期的に私が英語をおしえていました。

実はこのオックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)、まさに海外に住んでいた時に長男が通うブリティッシュスクールの教材だったのです。日本で見つけた時はとてもなつかしく感じました!

以下、オックスフォード出版のウェブサイトから引用しましたが、なるほどイギリスの約80%以上の小学校で採用されている教材だなと思います。

オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT) とは?

  • イギリスの約80%以上の小学校で採用されている「国語」の教科書。
  • かわいいキャラクター達が登場するユーモアあふれる「オチ」がある短いお話が200話以上あり、すべてネイティブの子供たちが使う自然な英語でつづられています。
  • 10段階にレベル分けされ、頻繁に使う表現が繰り返し登場するため、英語学習用としても最適。(引用元:Oxford Universtiy Press)

オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)は今、思い出してもとても良くつくられている教材だなと思います。

子どもが興味を持つようにそれぞれ個性あるキャラクターが登場するストーリー仕立てでしっかり文法や語彙を学ぶことができるようになっているんですね。

Let’s GO(レッツゴー)シリーズ

オックスフォードリーディングツリーの後には英語教材のベストセラー、Let’s GO(レッツゴー)シリーズを使っておしえ始めました。

Let’s GO(レッツゴー)シリーズも同じくオックスフォード出版のベストセラー英語教材です。

Let’s GO(レッツゴー)シリーズとは?

  • オックスフォード出版「Let’s Go」シリーズは世界150カ国で使われているベストセラー英語教材。
  • 幼児から中学生まで幅広い年齢に対応。                           
  • オックスフォード出版が運営するサイト「Let’s Go Online Play」で無料ダウンロードが可能。

Let’s GO(レッツゴー)シリーズの歌はChants(チャーンツ)になっているので、子どもが歌詞(英語の文章)を歌いながら自然に覚え、ネイティブのようなリズムで話すことができます。

※Chants(チャーンツ)とは?

Chants(チャーンツ)とは、英語の文章をリズムに乗せて歌ったものです。繰り返し歌うことで、英語のリズムを体得できるなどの効果があります。

夏休みは毎日夕方5時から英語のレッスン

夏休みや春休みなど、学校に行かない休暇には毎日(平日)夕方の5時から英語のレッスンをしていました。

意外にも習慣化すると娘は嫌がらず、ほかの遊びをしていても声をかけるとやる気を出してくれていました。

長い休み以外の学校がある時は大体週3回ぐらいおしえていたと思います。

正直なところ私自身がめんどくさい時もありましたが・・!今になると自分でもよくやってたなぁと思います、笑。

今はオックスフォード出版のテキストブックもebooks(電子版)があります。わが家の子ども達が小さかった頃はアナログ版の紙媒体でした。紙媒体の良かった点は、子ども部屋の本棚に置いてあるものを好きな時に自分で手に取り何回も読み返すことができることです。ブルーライトの影響も避けることができました。

中学時代~留学するまで

中学生になっても私が英語をおしえることもありましたが、娘は徐々に自分ひとりでいろいろな方法で英語を学ぶことが増えてきました。

そして相変わらず、洋画やドラマも家族一緒に観ていましたが、小学生の頃と比べると大人も一緒に楽しめる内容のものがぐっと増えました。観たあとにあれこれ語り合う内容も、幼い頃よりも深い話ができるようになり楽しかったです。

好きな洋書を読む

簡単な洋書を自分で選んで読み始めました。重要なポイントは子ども自身が面白いと思う洋書を読むことです。意味のわからない単語は調べながら、ハリー・ポッターはじめ、英語圏の小学生向けの本を幅広く読むことを習慣化していきました。

好きなミュージシャンの曲の歌詞を覚える

娘は実は今でも帰国すると必ず「ひとりカラオケ」に行くほど歌うのが好きです。私は音痴でカラオケも絶対に行かないので不思議ですが、笑。

お気に入りのミュージシャンの曲の歌を聞きながら一緒に歌うのは最高の英語学習だったと本人も言っています。

今はホントに便利な時代で歌詞(lyrics)もネットで調べることができますよね。

歌うのが好きな子、洋楽が好きな子にはぜひオススメする学習方法です。

歌詞を覚える=英文法ふくめて文章をまるごと暗記することになります。知らない単語は意味を調べることで自然に語彙も増えるという最高に良い学習方法です。

オンライン英会話

読み書き、そしてリスニングの勉強はひとりでもできますよね。しかし、スピーキングは会話の相手が必要です。

私自身が留学した時にも思い知らされたのが自分のリスニングとスピーキングの能力でした。「留学前にしっかり準備をすれば良かった!」と心底思いました。

娘は高校留学するまでいろいろなオンライン英会話レッスンを受けました。

日常会話メインのレッスンからカランメソッドまで、定期的にオンラインの英会話レッスンを受けたことで、初めてのひとりでの海外生活もスムーズに始めることができたようです。

まとめ

日本育ちの娘についておおまかに書きましたが、結論から言うと日本育ちでも英語力を身につけることは決してむずかしくはありません。

もちろん、これはある程度の教育費をかけての結果ですが、それでも今は英語を学ぶ方法もいろいろな形態があり、昔と比べるとかなりリーズナブルに英語を学ぶことができます。

日本で生まれ育つ子どもは母国語(第一言語)がしっかり身についているので、第一外国語としての英語を堅苦しく勉強扱いせずに楽しんで学んでほしいと思います。

実際に幼児期から実践していたおうち英語について娘に聞いてみたところ「楽しかった」という返事が返ってきました。

私自身が「英語学習の時間=遊びの時間」という雰囲気をつくっていたこともあり、それにだまされて?笑、英語学習については勉強という感覚がなかったようです。

もし、まだ子どもが小さい場合には、まずは親が家の中で英語学習=楽しい遊び」という印象づくりをすることをオススメします。

もくじ